花の野に咲くうたかたの
内容紹介
世界は『色』で満ちている。新堂道隆は人の痕跡が視えてしまう体質を持っていた。人の辿った道筋、物に残る気配を視るのはたまに便利ではあっても、煩わしい事も多かった。一人暮らしに憧れる日々に、従姉妹が管理する『桜花荘』への誘いを受ける。人の住まない古い建物。誰にも気がねする事のない、新しい生活。新天地に心躍らせる道隆を待っていたのは、『色』を持たない一人の少女だった。『はじめまして。あなたが新しい住人なのですね?』人間なら誰しも見えるはずの『色』を持たない少女の存在。『私は……あなた方の言葉で言うなら、幽霊というモノです』桜花と名乗る少女との出会い。幼馴染の親友に従姉妹達。学園の先輩後輩も巻き込んで、春の季節を舞台に、生涯忘れられない賑やかな日々が、今、幕をあげる。