花色ヘプタグラム
内容紹介
舞台となる久也の故郷の御式村は、村の各所で湯気の立ち上る温泉地であり、豊かな自然に満たされた美しい場所である。小学校時代に村を離れ、東京で生活していた久也は久しぶりに故郷へと帰ってきた。最近、よく夢に現れるようになった少女が、久也に村に戻ってくることを求めているように感じたからだ。もはや村で過ごした記憶も薄らいでいるが、元々、東京での生活よりも村での生活の方が性にあっていた久也は、深く迷うことなく、彼女の求めに応じて帰郷することを決意する。村に戻った久也は、早速幼馴染の小石川玉美とも再会し、公衆浴場を改築して作られた学院への編入手続きも済ませた。玉美の実家の旅館に下宿させてもらえる事にもなり、いよいよ本格的に村での生活が始まる──そんなある日、久也は目撃してしまった。立ちこめる湯気の向こう側、美しい裸身のまま佇み、全身に不思議な光をまとっている幼馴染の姿を。どうやら彼女は温泉の力によって授かった特殊な力によって、最近、村で頻繁に起こっている不思議な現象を人知れず解決していた、というのだった。秘密を知ってしまった以上、久也も無関係ではいられない。玉美をアシストしてその不思議現象解決に力を貸すことになるのだが──