Bradyon Veda
内容紹介
悲劇の大戦から三年。敗北した日本の中央都市[威京’モレク]に一人の男が現れた。名は「藤代直人」。彼の肩には、錆びついたネフィリムの徽章があった。ネフィリム――正式名:神術兵特務部隊。第三次東亜大戦中、たった十名で、数万の陸上部隊を壊滅させた実績を持つ実験歩兵部隊。彼らが扱う「神術」は、神の存在をこの世に顕示する……まさに魔術と呼ぶに相応しい力だった。その強すぎる力を恐れたのは、敵だけではない。神術兵特務部隊の兵たちも、己の持つ力を恐れ、いつかそれが人類の脅威となるであろうことを悟る。ネフィリムの隊長であった「斑鳩小萠」は、戦後すぐに自分の部隊を解散させようとする。そして内紛が起きた。結果、小萠は殺され、彼女を庇った直人も深い傷を負うことになった。愛するものの仇を取るため。そして小萠の意思を継ぎ、この世にあってはならない力を封じるために、直人は立ち上がる。感情を持つ兵器。戦争が生み出した神に近きものたち。彼らに待ち受けている未来は、支配か、融和か。それとも破滅か……。威京は、[神術兵’スクライブ]同士が駈け巡り、ぶつかりあう凄惨な戦場へと変貌する。